木造用語辞典

 

【あ】

l        相欠

l        相の

l        相決

l        り框

l        網代

l        雨押

l        雨仕

l       

l        蟻継

l        合わせ梁

【か】

l        外構工事

l       

l        駆け込み天井

l        笠木

l        工事

l        矩計

l        鎌継

l       

l        ガラリ

【さ】

l        在来造工法

l        竿

l       

l       

l        雑工

l        サッシュ

l        3尺モジュール

【た】

l        大黒

l        太鼓

l        耐力壁

l        高さ

l       

l       

l       

l       

l       

l        字型

l       

l       

【い】

l        家構

l        犬走り

【き】

l       

l        規矩術

l        基礎

l        木取り

l        木拾い

l        経師

l        京づくり

l        京間

l        局地風

l        切妻

l       

l        木割

【し】 

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l        下地窓

l        板張り

l        漆喰

l       

l       

l        聚楽

l       

l        書院造

l        省エルギー住宅

l       

l        仕様

l        上棟

l       

l        芯芯

l        芯ずれ

【ち】

l        千鳥

l        寿社会対応住宅

l       

l       

l        散り決り

【う】

l       

l       

l        内法

【く】

l       

l        管柱

l        組子

【す】

l        屋造り

l       

l        簀の子

【つ】

l        ツーバフォー工法

l       

l        使い勝手

l        継手

l        角柄

l       

l       

l        妻入り

【え】

l        縁甲

l        縁座敷

【け】

l        き梁

l       

l       

l       

l       

l        建築準法

l        建築

l        建蔽率

【せ】

l        背割

【て】

l       

l        出隅入隅

l       

l        照り

l        天袋・地袋

【お】

l       

l       

l       

l        お神

l        納ま

l       

l        追掛け大栓継ぎ

【こ】

l       

l        工程表

l       

l       

l       

l        小舞

l        小間

l        込み

l        小屋

l        小屋裏

【そ】

l        雑巾

l        造作

【と】

l       

l        胴差

l       

l       

l        通し

l       

l       

l        戸決

l       

l        土庇

l       

l        戸襖


【な】

l       

l        海鼠壁

【は】

l        羽重

l        合わせ

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l       

l        バリアフリー住宅

【ま】

l        切り壁

l       

l       

l       

l        回り縁

【や】

l       

l        屋根勾配

【に】

l       

l        日本

l        人工

【ひ】

l       

l        引違

l       

l        引分け

l       

l        け桟瓦葺き

l        樋端

l        105

l       

l        広間型

【み】

l        見え掛

l        見え

l        見切

l       

l       

l       

l        水回

l       

l       

l       

l        見積り

【ゆ】

l        床下換気口

l        直し

l       

l        雪見障子

【ぬ】

l       

l        塗り壁

 【ふ】

l       吹き

l       

l        プレカット

l        プレハブ工法


【む】

l       

l        無目

【よ】

l       

l        容積

l        用途地域

【ね】

l        根切

l       

l        練付

【へ】

l        紅殻

【め】

l       

l       

l        目地

l        かし張り

l       

l        面戸

l        面取り

【ら・わ】

l       

l       

l        み壁工法

l        渡り

l        割栗石

【の】

l       

l       

l        野地板

【ほ】

l        構造

l       

l        補強金

l       

【も】

l       

l        盛土

【あ】

l        相欠き(あいかき)

木と木をつなぎ合わせる方法のひとつ。つなぎ合わせる相互の部材に同じ形状の欠き込みをいれて、合体させる。

l        相の間(あいのま)

連続した三つの部屋の真ん中にある小部屋のこと。部屋と部屋の間にあって、緩衝帯の役割をする。襖や障子を開けると広い空間となる。

l        相決り(あいじゃくり)

板と板が接する長辺の部分が互い違いに上下に重なり合うようにして、隙間なく接合する方法。床板や天板

を張り合わせるときなどに使う。「合決り」とも書く。このほか板張りの方法としては、板と板の間に細かい板を敷く敷き目板継ぎ、継ぎ目をそれぞれ凸凹にする本実継ぎがある。

l        上がり框(あがりがまち)

床に段差のある場所で、上がる床の端に付けられる横材。損傷がはげしいため、ケヤキやサクラなどの堅い木が使われる。段差は200o程度が多いが、安全のためには180o以下という指針がある。

l        綱代張り(あじろばり)

板や竹による床、壁、天井の仕上げ方法。細く薄く長く削ったスギやヒノキの板、あるいは竹などを網のように編んで面をつくったもの。垣根などの仕上げにも見られる。

l        雨押え(あまおさえ)

外壁を流れる雨水が建物内部に入らないように取り付ける板材。外壁から屋根が出る場所、外壁上部の塗り壁から下部の板壁に変わる変わり目などに、3/10程度の勾配でつけられる。

 

l        雨仕舞い(あまじまい)

家の内部に雨が入らないように処理すること。雨水の流れを外部に誘導する板や、雨水の流れを止める水切りの目的などを要所要所に施して、建物内部に雨水が入らないようにする。

l        荒壁(あらかべ)

土壁の下塗り段階をいう。一般的な土壁仕上げはこれに中塗り、上塗りをして仕上げとなる。「粗壁」とも書く。

l        蟻継ぎ(ありつぎ)

角材と角材を接合させる方法。相対する二つの部材の接合部に細工した台形の凸凹の形状が、合体して一体となる。材の長さを足すための接合である継手のひとつ。蟻継ぎがもっとも簡単で、さらに細工を加えた腰掛け蟻継ぎ(図)がある。

l        合わせ梁(あわせばり)

2本の材を並べてボトルなどで締めつけて一本化し、1本の梁の役割をするもの。太い木材によらず、小さい木材で対処しようということから考えられたもの。

 

【い】

l        家構え(いえがまえ)

敷地内の建物の向き、庭などの配置の方法、家づくりの様を指す。周辺環境や気候風土に対しての備えをした家のつくり方。門や玄関、屋根の型などに格式を持った家のつくり。門構え、屋敷構えなどの言葉もある。

l        犬走り(いぬばしり)

建物の軒下や外壁の周囲を砂利やコンクリートなどで固めたもの。雨水の跳ね返りから建物の裾を守る目的で軒の出によって変わるが、約60cmの幅で固められる。建物の裾をひきしめる効果もある。コンクリート、れんが、小石、石板などの材料が使われる。京風の町屋では表の軒下の犬走りに、竹を割って薄く削いだものを放射線状に加工して並べた犬矢来が置かれる。

 

【う】

l        請負(うけおい)

民法上で規定される契約の一種。施工者が施主の発注する住宅工事の完成を約束し、施主がその結果に対して報酬を与える約束をすること。請け負った仕事をそのまま下請け業者等に受け流すことを「丸投げ」という。発注者(施主)に無断で行なわれれば建築業法上の違反となるので、注意が必要。

l        卯立(うだつ)

防火のためにつけられた塗り壁。連続する隣家との境の壁を屋根よりも高くしたものが本来の姿である。2階の窓の脇につけられた脇卯立や軒先から出された塗り壁の軒卯立などさまざまな形がある。屋根の上の煙出しに付いた小屋を卯立ということもある。「卯建」、「宇立」とも表記されている。また、棟木を支えている短い柱(うだち)を意味する場合もある。

l        内法(うちのり)

相対する壁と壁、あるいは部材と部材の間の距離であるが、特に各部屋で障子・襖が入る開口部の高さを指す場合がある。内法回りと呼んで室内で統一され、1730mmまたは1760oが標準である。現場では、鴨居そのものを内法ということもある。

【え】

l        縁甲板(えんこういた)

和風住宅の主に縁側や廊下に用いられる床材。厚さは1518mm、幅90120mm、長さは36004000mm程度の、ヒノキやマツなどの針葉樹が使われる。本実はぎなどによって堅く締まった床が1枚の板のようにできあがる。

l        縁座敷(えんざしき)

座敷と外部の間にある畳敷きの廊下。雨戸、ガラス戸、障子を閉めると、外気の冷気を座敷から隔てる効果があり、夏向きの家の欠点を補う。

【お】

l        大壁(おおかべ)

壁の骨組みをつくる方法のひとつ。壁の仕上げ材で柱と梁を覆い隠す。壁の骨組みは見えないので、壁内の結露には十分な注意が必要である。大きな壁面で室内が構成されることから、純和風とは異なった、すっきりした洋風の雰囲気を作り出す効果がある。

l        大津壁(おおつかべ)

滋賀や京都地方で産出する黄色系の壁土に、消石灰と麻スサを混ぜ合わせたものを、鏝で押さえながら塗る。平滑な仕上がりが特徴。色調により、黄大津、茶大津、泥大津、鼠(ねずみ)大津がある。

l        大引(おおびき)

木造建築の最下階の床構造を構成する角材。床板を受ける水平板(根太)を支える100mm程度の横架材で、最下階の床を支える垂直材(床束)によって支えられている。

l        お神楽(おかぐら)

2階に増築する方法を意味する俗語。平屋建てに2階部分を建て増す工事のことをいう。

l        納まり(おさまり)

部材の組み合わせ方。各部分で、それを構成する材料が、技術、寸法、性能において、過不足なく仕上がっている状態を、納まりがよいという。

l        押縁(おしぶち)

板や合板、ガラスなどの板状の部材の継ぎ目を、押さえて留める細かくて長い材料。木製、金属製、プラスチック製のものがある。

l        追掛け大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ

角材と角材を継ぎ足して接合する方法。相対する部材の接合面に勾配と段差をつけ、合体させたものに、さらに側面から木片を貫通させて埋め込む方法。木片の代わりに金属ボトルが使われることもある。角材の断面図が比較的大きな部材で使われる。

【か】

l        外構工事(がいこうこうじ)

敷地内の建物外部の工事。門や塀・石垣、植え込み・盛土(*)・建物周辺の犬走り(*)・沓脱ぎ石、そして駐車スペースやサービスヤードなどの工事が含まれる。

l        階段(かいだん)

踏み板(段板)をさらに桁(側桁)で支える。段端から段端までの距離を踏み面、蹴込み板の高さを蹴上げという。上がりやすい階段の勾配は45度以下。このとき踏み面は21cm、蹴上げは22cm程度で、蹴上げの2倍十踏み面の数値が6065cmの間の階段が上がりやすい。1本の直線状に上がる直階段、途中で直角に曲がって上がる矩折り(かねおり)階段、途中から折り返しに曲がって上がる回り階段などがある。

l        駆け込み天井(かけこみてんじょう)

屋根の勾配に沿って傾斜した部分がそのままの形で天井になっているもの。縁側や庭に連続する部屋の天井が、そのまま延長して縁側や庭の軒先に続く。格式ある和室には用いないが、茶室や中2階などで部屋の用途によって効果を発揮する。「掛け込み天井」とも書く。

l        笠木(かさぎ)

塀や手すりなどの頂部にかぶせられる仕上げ材のこと。頂部保護と雨水の壁体内部への侵入を防ぐ役割がある。板状の木のほか、金属板などが使われる。

l        仮設工事(かせつこじ)

建物本体の工事が始まる前の準備作業。敷地現場の仮囲い、材料置場・作業スペース、高いところの工事のための足場の組立などの作業がある。

l        矩計図(かなばかりず)

建物の垂直方向の各部の高さを示す図。土台、床面、建具の内法、天井面、軒先、軒などの高さ寸法が、建物外壁部分の断面図に記される。

l        鎌継ぎ(かまつぎ)

角材と角材を接合して1本の長い角材にする方法。接合面を長くして、引き抜にも耐えられるような対称形に細工する。さらに接合部に段差をつける細工をすると、腰掛け鎌継ぎ(*)になる。

 

l        鴨居(かもい)

和風建築などの開口部の上部に付けられた水平材。引違い戸などの建具を立てるために、通常、溝が彫られる。溝がないものを無目(*)という。また、鴨居と合わせて付けられたものを付け鴨居と呼ぶ。小壁に付けられる欄間鴨居のほか、指し鴨居、一筋鴨居などがある。

l        ガラリ

幅の薄い板を一定の間隔を保ち、平行に並べて取り付けたもの。壁面または建具に取り付けて、直射日光の緩和、雨の吹込み、視線の遮断、通風・換気に役立てるために、浴室の換気口や雨戸などに用いられる。ガラリを組み込んだ建具は、よろい戸・ガラリ戸・しころ戸・ルーバーなどとも呼ばれる。

【き】

l        器具表(きぐひょう)

取り付ける器具の種類、性能、大きさ、個数、メーカーなどを示した表。ガスや水道関係の器具、浴槽や便器などについて器具ごとに記載される。設計図書の一部に含まれる。

l        規矩術(きくじゅつ)

材料を加工するために、材木に制作寸法を墨で写し出す作図に用いられる日本古来の技術。規矩とは規矩準縄(きくじゅんじゅう)からできた言葉で、規は円、矩は直角、準は水平、縄は垂直を正すことを意味している。大工職人に伝統的に伝えられている。

l        基礎(きそ)

建物の最下部にあって、建物の重さを地盤に伝え、建物と地盤を固定するもの。地盤が1u当たり5トン以上の重力に耐えられる場合は、鉄筋コンクリートの布基礎にする。通常、外周の基礎は布基礎とし、内部は柱の下だけに独立基礎を置く。弱い地盤では、建物の下部全面を基礎としてコンクリートの底面をつくるベタ基礎とする。これは、地中からの湿気を遮断する効果もあり、最近の一般的な住宅では多く採用されている。

l        木取り(きどり)

原木の丸太から、むだなく角材・板材などに取り分ける製材作業をいう。角材には断面が正方形のものと長方形のものがあり、板材には厚板・斜面板・耳付き板などがある。木取りをする職人のことを木挽き大工というが、現在は多くが機械化されている。

l        木拾い(きびろい)

設計図から、工事に必要とされる木材を読み取り、寄せ集める作業をいう。素材を吟味して適材を調達する重要な仕事である。設計者、大工工事の責任者、それに依頼主が加わって選択することもある。

l        経師(きょうじ)

襖や壁紙、壁布、屏風の紙張りをする職人のこと。襖では細木の骨組みに何枚も下張りを重ね上張りの紙を張る。湿度変化のはげしい日本の気候では高度な職人技芸となっている。表具師ともいう。

l        京づくり(きょうづくり)

伝統的な京都の家の手法を使った家づくりをいう。細かい格子のはまった窓や、漆喰で塗り込んだ2階の格子窓、洗練された細かい部材の組み合わせ、通りに面して置いた犬矢来や上げ下げ式の縁台などが特色である。日本各地にある京都にゆかりのある地は小京都と呼ばれ、このようなつくりの家が並ぶ。

l        京間(きょうま)

長辺63寸、短辺315分の畳を基準とした部屋。建物の基準となる寸法を規格寸法の畳をもとに決める。この方法により、どこの家でも同じ畳が使えるようになることから、畳が貴重品で上流階級にしか使えなかった時代には、畳を使い回すことができた。この方法を畳割り法という。関東の田舎間(畳寸法58寸×29寸)に対する言葉。

l        局地風(きょくちふう)

その土地だけに吹く強風。風に対する建物の備えは季節風だけではなく、地形よる土地固有の風に対しても対策が必要となる。この風には北部日本海側のタマカゼ、東北地方のヤマセ、北関東のカラッ風、紀伊半島のイナザ、瀬戸内海のワイダなど、各地固有の名前をもつこともある。

l        切妻(きりづま)

屋根の側面の端を垂直に切り落とした型。頂上から二方向に下がる単純な屋根型であるが、頂上の両端での風や雨を防ぐために、板を打つ、塗り込めるなどの処理をする。(→屋根型)

l        霧除け(きりよけ)

小さな開口部に雨がかからないように板を開口部に取り付けただけの簡単な庇をいう。この庇は日差しをさえぎる役割より、外壁を流れてくる水が、窓や出入口から屋内に入らないようにする役割のほうが大きい。霧除け庇ともいう。

l        木割(きわり)

柱の寸法を基準として各部材の寸法を比例計算で決める方法体系をいう。江戸時代から伝えられている。たとえば、8畳の部屋で、柱の表面の幅が110mmの場合、天井高2450mm、鴨居の幅97mm、鴨居の見付け33mm、回り縁48×50mmなどという規格がある。

【く】

l        草葺き(くさぶき)

地元で採れる長い管状の植物を屋根材とした建物。伝統的日本の民家の屋根である。水辺に生える葺(ヨシという)、山にある茅(スキスのこと)、平地の稲や麦のワラなどさまざまな草が屋根葺き材料となる。屋根の形は寄棟が全国的に見られるが、一部入母屋の地方がある。水はけのためには急勾配にする。十数年で手入れ作業が必要となる。

l        管柱(くだばしら)

1階、2階それぞれの階ごとに付けられる柱。1105mm35分)角の材が一般的。部屋の四隅、開口部の両脇、間切りの壁の両脇などに建てられる。1階と2階で柱の位置がずれてもよい。(→軸組)

l        組子(くみこ)

格子窓や障子・欄間などで縦横に組み合わされた小さな桟のこと。紙などを貼り付ける場所であり、意匠ともなる。

【け】

l        桁行き梁(けたゆきばり)

屋根の骨組みの一つで、長辺方向に架け渡された太い丸太材。マツなどに使われ、短辺方向の丸太材と十文字になって、重い屋根の架構を支える。地棟梁、中引き梁、牛梁などとも呼ばれている。

l        結露(けつろ)

室内の空気に含まれている水分量が飽和状態になり、余分な水分が室内より低い温度の窓や壁の表面で水滴となって付く現象。壁の内部、天井裏にも結露する。これは木材腐食の原因となる。隙間風を防ぎ機密性を高めた室内では、結露がおきやすい。結露を防ぐためには、ペアガラスなどを使って窓の断熱性能を上げたり、外断熱にするなどの方法がある。

l        化粧(けしょう)

建物の中で、直接目に触れる部分、部材が施される仕上げ加工。目に触れる部分、あるいは部材そのものを目指す場合もある。木材であれば、カンナがけをして美しい木目を表出する。また、仕上げ加工された材を目に見える部分に使うことなどを意味している。天井を張らずに垂木などが直接仕上げるとなるものが化粧天井裏、内外壁の仕上げにそのまま使用する材が化粧材である。

l        下屋(げや)

建物の主要の部分、母屋(おもや)に、継ぎ足された屋根部分や部屋をいう。母屋の屋根部分より一段低く、縁側や便所、浴室などの付属的な場所となることが多い。

l        螻羽(けらば)

切妻屋根の妻側の縁端部をいう。妻壁から突き出た部分を螻羽の出またはそば軒といい、この箇所で用いられる垂木を螻羽垂木、瓦を螻羽という。

l        建築基準法(けんちくきじゅんほう)

建物を建てるにあたって、守らなければならない最低基準を定めた法律。建築物の用途、敷地、構造、設備などについて、細かく決められている。このほか、住宅に関連する法律に、都市計画法、民法がある。

l        建築士(けんちくし)

設計および工事監理を行うことのできる、法律で定められた資格。木造建建築士は小規模な木造建築2階建て300u以下、これを越える規模あるいは3階建ての木造建築は1級建築士または2級建築士と定められている。

l        建蔽率(けんぺいりつ)

敷地面積に対する建物面積(建て坪)の割合。最高90%から、環境保全のために制限がかけられた30%程度の地域まである。住宅地では30%〜60%程度になっている。

【こ】

l        格子窓(こうしまど)

外側に細かい角材や板の桟を縦横に並べた窓。意匠はいろいろある。外部から内部は透視しにくいが、内部からは外がみえる。防犯の効果もある。堅桟を細かくならべたものは千本格子、いわゆる京格子で、出窓などに使われている。長い桟と短い桟を組み合わせたものは親子格子という。

l        工程表(こうていひょう)

着工から竣工までを各工事種別に作業量を日数に換算して示した表。工事の時期、敷地や周辺の状況、作業の難易度やコストなどの条件を考慮して、より早く、より良く、より安く完了するための工程であることが求められる。

l        構造材(こうぞうざい

屋根や床を支える役割をしている部材。長くて大きな直径の用材が得やすく、加工しやすいことから針葉樹が多く用いられている。真壁構造(*)では、この材がそのまま木肌を表して仕上げ材ともなる。

l        腰(こし)

垂直方向の上下で仕上げが異なる場合の下半部分のこと。ガラス戸の下部にはめられた板を腰板、外壁の中間より下の壁を腰壁、そこに板や紙などを張ることを腰張りなどという。

l        小間(こま)

4畳半から1畳台目までの広さの部屋をいう。台目とは畳の長辺が普通の畳より4分の1短い畳をいう。この台目畳と標準の1枚の畳を敷いた部屋が1畳台目で茶室などにみられる。

l        小舞い壁(こまいかべ)

柱と柱の間に板を上下に渡し、その間に細い竹を麻などの縄で縦横に編む。これに表と裏から土を下塗り、中塗り、上塗りと塗り重ねる。木と土の肌合いで構成する和風の壁仕上げの伝統的方法である。

l        小間返し(こまがえし)

部材の配列を決める手法のひとつ。部材の表に見える幅の寸法と同じ寸法の間隔を開けて並べていく。垂木、格子などにみられる。京風の小間返し格子では細い格子がくり返し並び、わずかな隙間から光が入り、独特な風情をかもしだしている。

l        込み栓(こみせん)

骨組みとなる角材をつなぎ合わせるとき、接合部分の補強のために、つなぎ合わせた木材と木材が一体となるように二つの部材を貫通させて埋め込む堅い木片のこと。埋め込まれる木片は、先が細かくなるように加工され、木片の頭を出しておく。木材の乾燥で隙間ができると、この木片をさらに打ち込んで補強する。

l        小屋組(こやぐみ)

屋根の骨組みのこと。日本の伝統的な骨組みを和小屋という。建物の軒の高さを底辺として、屋根の傾斜に沿って角材をいくつも垂直に立ち上げ、その頂部に横架材を渡して骨組みをつくる。屋根勾配が急な場合、小屋束を連結したり、桁方向の真束に筋かいを入れる場合もある。洋小屋は、斜め材をいれて三角形で屋根面を支えることを基本にした骨組みをいう。

l        小屋裏(こやうら)

屋根面の下にある屋根を支える骨組みの部分をいう。屋根裏のこと。天井を張って室内からは見えないようにする場合と、骨組みをあえて見せる場合がある。

【さ】

l        在来木造工法(ざいらいもくぞうこうほう)

近代産業による新しい工法の以前から、日本で行われてきた木造建築の建て方をいう。木材を組んでいく広報があるが、江戸時代以前から存在するこの工法の古民家や社寺建築は伝統構法とされて、現在の木造工法とは区別されている。

l        竿縁(さおぶち)

天井板を下から支える細い部材の総称。天井板とは直角に配置される。25×30mm程度の角材で、面取り(*)をする。中央部は天井裏から吊る。1間(約1800mm)の間に3本、つまり450mm間隔に置かれるが、部屋の広さとの調和からいくつかのパターンがある。天井板の間に隙間ができやすく機密性に欠ける。

l        左官(さかん)

漆喰壁や土壁などの塗り壁や、三和士(*)を施工する職人のこと。江戸時代から続く呼称。その仕事自体を指すこともある。鏝(こて)で仕上げた漆喰の浮き彫りを鏝絵という。左近工事、左官材料などの言葉がある。

l        指金(さしがね)

直角や勾配を出したり、換算計算したりする時に使う大工道具。曲尺(かねじゃく)ともいう。長さのほかに円周率や平方根の数字が刻まれており、部材加工のときの必需品である。鋼鉄か真鍮製で、本来は尺貫法の道具であるが、現在はメートル法に直して使っている。

l        雑工事(ざつこうじ)

建築工事の分類の1項目。家具類、台所や浴室の器具や備品の取り付け、カーテンやブラインド、そして外部の雨樋や工事現場の後かたづけなどの工事が含まれる。

l        サッシュ

工場生産されたアルミやスチールなどの、金属製の建具を指すことが多い。本来は扉や戸の構成部材、サッシュバー。金属性は機密性が高く、腐らないため、外部のカラス戸や窓に使われる。木製サッシュもある。サッシともいう。

l        3尺モジュール(さんじゃく)

尺貫法の寸法による木造の柱配置の基準法。1尺は焼く303mmに相当。3尺は約910mm、いわゆる半間である。畳の寸法も3尺×6尺として間取りを考えることから、3尺という寸法は日本の住宅の基本単位となってきた。そこで住宅各部の寸法もこの単位が各所に見られる。

【し】

l        仕上表(しあげひょう)

外部および内部の仕上げを整理した一覧表。外部仕上表には、屋根・軒・外壁などについて記入、内部仕上表には、床・壁・天井などについて、材料とその寸法などが記される。これにより建物の仕上げの程度が全体的に把握できる。

l        地板(じいた)

室内の床と同じレベルで敷かれた板。畳敷き部屋で窓際や壁際に敷かれる。床の間の脇に敷かれることもある。

l        敷居(しきい)

戸や障子などをはめ込んだ上下左右の枠の下端の横木のこと。溝が掘られるか、レールがつけられる。戸が滑りやすくかつ損傷に耐え、削るなどして微妙な木の狂いの調整ができるようにする。念の入った仕事では、溝を掘り、そこにさらに堅い木の薄い板(理木)を埋める。

l        式台(しきだい)

玄関の土間から床に上がるところで、一段広い板を置いて上がりやすくした台のこと。床と玄関土間の段差が少ない場合は必要ないが、道路からの玄関までの距離が短い場合など、アプローチで段差が解消できず、このような台が必要となる。高齢者の安全のためには、台の幅は500mm以上、奥行きは400mm以上が必要で、手すりが付けられることもある。下部を履物入れにする場合もある。古くは正式の出入り口の屋外部分に付けられ駕籠(かご)着き場所に使われた。さらに、沓脱ぎ石を備える場合もある。

l        地業(じぎょう)

建物の重さに耐えられる基礎をつくるためになされる、地盤面工作の作業をいう。平地では基礎をつくるために地盤を補強する作業がある。斜面や凸凹のある場合では、地盤調整をする。軟弱地盤では地盤改良が必要である。いずれも地固めをする作業となる。「地形」とも書く。

l        軸組(じくぐみ)

木造住宅を構成する床・壁・屋根の骨組みのうち、壁を構成し屋根を支える骨組みをいう。土台・通し柱・管柱・胴差・軒桁・梁が主要部材で、補強のために間柱、筋かい、火打ちが入る。

l        仕口(しぐち)

二つの部材を直角または斜めに組み合わせるときの接合方法の総称。3方向から力がかかるため強固にする必要があり、複雑な細工の組み方が伝承されている。蟻落とし、大入れ、渡り腮(わたりあご*)、襟輪(えりわ)などがある。

l        下拵え(したごしらえ)

建築現場で部材を組み立てる前の準備段階で、材木を現場ですぐに使える状態に加工する作業をいう。柱や土台などの構造部材の加工がもっとも重要で仕事量も多い。長さの調整から、接合部分の木と木が合体する形状加工まで、伝統的技術を踏まえた高度な作業もある。精度が高いほど現場での作業が少なくなる。

l        下地(したじ)

仕上げ材の下部にある素地や構成部材をいう。畳床の下地は、丸太から製材したままの板や耐水合板。板壁は、杉の小幅板や細い角材。塗り壁は金属性の網や下地用に加工された板。天井は形や仕上げの材料によって下地を構成する部材が異なる。瓦屋根下地は、板やアスファルトなどを用いる。

l        下地窓(したじまど)

土壁の一部を塗り残して開けられた窓。格子状に組まれた細竹や枝木による小舞い壁を、その窓の部分だけ土を塗らずに露出させているもの。土を塗る前段階の壁の骨組みを表したもので、茶室などにみられ、飾らない粗野な雰囲気を出す。障子をはめているものもある。掻きさし窓、塗り残し窓ともいう。

l        下見板張り(したみいたばり)

板を横に張る壁仕上げで、張る板の下側が外部に見えるように重ねていく方法。下の方から順に、板の上端にその上部の板の下端が重なるように、柱に直接打ち付けていく。板の重なり具合で、押縁下見、ささら子下見、よろい下見(南京下見)、箱目地下見(ドイツ下見)などの工法がある。

l        漆喰(しっくい)

白い塗り壁をつくる材料。石灰石からつくった白い粉に藳スサなどを混ぜて土壁の上から仕上げに塗る。耐久性、防火性に富む。武家屋敷や民家の蔵などに昔から使われた。建築材料としては、土佐の漆喰が有名。

l        地窓(じまど)

床と連続した平面に敷居がある小さな窓。一般には窓の幅よりも低い高さとなる。そこから外部へ掃き出すことができることから掃き出し窓の名前もある。夏には床を伝う風を入れる通気窓の役割をする。天井に開けられた明かりとりの窓は天窓といわれ、地窓と対比する。酒蔵の土間面に付けられた窓なども地窓と呼ばれる。

l        尺貫法(しゃっかんほう)

日本古来の度量衡法。今でも在来工法の住宅では長さの寸法体系として尺・間を単位として使われることがある。1959年に計量法が制定されたのを機に、正式な文書には使用できなくなった。尺は長さの単位。貫は重さ(質量)の単位。

l        聚楽壁(じゅらくかべ)

伝統的な土壁仕上げのひとつ。京都、大阪地方で出土する、砂粒を含まない、黄褐色、薄茶色の粘着度の高い壁土で仕上げる。桃山時代から使われていて、京都で豊臣秀吉が建てた聚楽第付近の土といわれているところから、この名を使う。京壁のひとつ。聚楽壁の色をした繊維質の壁材もある。

l        書院(しょいん)

座敷の床の間と縁側の間につくられた、書籍を読むための明かりの窓を平書院、縁側にはみ出して窓と書物や筆などを置く棚があるものを付け書院という。古くは武家屋敷で儀式用の1室となったものがある。寺院では高僧の思索の場所でもあった。書院のある場所から、表書院、奥書院の名もある。

l        書院造り(しょいんづくり)

伝統的な格式ある和風の形式。中世に完成した武家住宅の様式。角柱を使い畳敷きで、部屋と部屋の間は襖または障子で仕切られる。主室には座敷飾りがなされる。民家で大屋根を付け、このような様式をもつものを、書院風民家という。近代では和風住宅の様式の主流となった。

l        省エネルギー住宅(しょうエネルギーじゅうたく)

冷暖房エネルギーの削減を目標とした住宅。断熱性能の向上、室内の気密化、計画換気により、室内外の温度差があるとき、家全体から逃げ出す熱量を少なくする。太陽エネルギー利用率30%以上のパッシブソーラー型などがある。

l        障子(しょうじ)

室内の部屋と部屋の仕切り、あるいは室内と室外の仕切りにたてられる戸。平安末期に発生したもので、当時は襖や板戸、衝立なども含んで障子といった。現在では半透明の紙を張った、明かり障子のことだけを意味する。

l        仕様書(しようしょ)

設計図では表現しきれない施工上の指示事項について、文書や、数値で表した書類。ここに記載され指定される事項には、工事概要、施工の順序や方法、使用する材料や部品に品質・成分・性能・精度・メーカーなどがある。このような事項を仕様という。共通仕様書、特記仕様書、標準仕様書、略仕様書などがある。

l        上棟式(じょうとうしき)

柱が立ち、梁が架けられ、小屋組ができたとき、すなわち頂部にある棟木がのったときに行う神寺。工事の無事完了を祈願する。棟上祭・建前とも言う。破魔弓、破魔矢などを飾り、小屋組の上から餅を投げて振る舞ったりする。神主、宮司を呼び、建物の四隅に酒や米をまき、そのあと、関係者に酒や食べ物を振る舞うことを直会(なおらい)という。

l        真壁(しんかべ)

壁の骨組みをつくる伝統的な方法。柱を壁の表面に出して仕上げる。柱と柱の間を結ぶ水平材である貫を通し、これにからませて壁の下地をつくる。これにからませて壁の下地をつくる。壁は塗り壁にすることが多いが、布や板を貼ることもできる。和風スタイルの場合、柱の垂直な線と鴨居や長押の水平な線、さらに障子の線による直線的な構成が美しい。柱や梁が表面に出ているので、腐ることはない。湿度の高い日本の気候風土に適しているので、最近は洋風空間にも採り入れられている。

l        芯芯距離(しんしんきょり)

部材の中心を芯という。部材と部材の間の距離を芯から芯までの距離で示したものが芯芯距離である。木造骨組みの基準となる数値である。芯芯距離で計算した床面積は、実体としての有効床面積より大きな数値となるが、厚い壁の建築に比べ、木造建築では大差はなく、日本の建築では芯芯で床面積が示されてきた。「真真」とも書く。

l        芯ずれ(しんずれ)

柱の位置を示す基準線(柱芯)から少し柱の位置をずらすことをいう。部屋の細部の意匠を決める際に柱の見え方や柱に取り付く部材の見え方にこだわるための作業。このような微調整が可能なことが、在来工法の特徴でもある。

【す】

l        数寄屋造り(すきやづくり)

格式のあるつくりを変化させてさまざまな創意工夫を持ち込んだつくり。書院造から離れた茶室にその起源がある。小さな空間での遊び心、わびさびの表現などに特徴がある。

l        筋かい(すじかい)

側壁部分に取り付けられる斜め材のこと。伝統的木造構法では、斜め材は取り付けないのが通例であったが、1923年の関東大震災で日本古来の構法が多数壊滅したことから、斜め材によって水平力を受け止めることが重要視され使用することを奨励された。「筋交い」、「筋違い」とも書く。

l        簀の子(すのこ)

竹や板などを、隙間にあけて張ったものの総称。割竹、丸竹、小幅板で作った濡れや縁や室内の床の総称。または割竹や小幅板を張り並べたもの。浴室の洗い場や台所の流しなどに使われる道具。

【せ】

l        背割り(せわり)

柱材などの裏側に入れた割れ目のこと。年輪の芯の部分を持つ角材は乾燥することで表面に割れ目ができることから、見える部分に使う材では正面から隠れる部分にあらかじめ芯まで届く割れ目を鋸(のこ)などで入れる。木の収縮で元に戻る力を封じるために楔(くさび)を打っておく。

【そ】

l        雑巾摺り(ぞうきんずり)

床板と壁面、柱面とが接するところに取り付けられる薄い部材。壁や柱面の保護と、室内の仕上がり寸法の調整のために付けられる。掃摺り、雑巾留め、ともいう。

l        造作材(ぞうさくざい)

建物を支える構造体以外で、部屋の仕切りや開口部の回り、階段、造り付けの家具類、床の間などに使われる木材のこと。寸分の狂いのない仕上がりを求めて、材料を選び、加工して、簡素な意匠をもった和室ができる。造作材を取り扱う造作大工には、特別な技量が要求される。

【た】

l        大黒柱(だいこくばしら)

家の中心部にあって、屋根を支える横架材を四方から受け止める柱。構造上たいせつな柱で直径の大きな材が用いられる。桃山時代から江戸初期にかけてみられるようになった。その存在感から信仰の対象ともなり、大黒様として民間にひろまった。

l        太鼓張り(たいこばり)

内部を中空構造にした建具などの作り方に一種。建具や可動間仕切り壁などにおいて、太鼓のように骨組みの両面に板や紙を張り、内部を中空構造にしたもの。障子の両面を張ったものは太鼓張り、襖(ふすま)の縁を付けないで張りくるんだものを太鼓襖と呼ぶ。

l        耐力壁(たいりょくかべ)

建物に加わる水平方向の力に抵抗する役割をもった壁。地震などで地面が震動して、建物に水平の力が作用する際に有効である。開放的な空間をつくろうとすると、この役割をする壁が少なくなりがちで、弱点となることが多い。

l        高さ制限(たかさせいげん)

建物の高さを規制すること。住居専用の地域では、絶対高さが10mまたは12mに定められている。前面道路の広さに対応した道路斜線制限、隣地への日当たりを配慮した北側斜線制限もある。

l        三和土(たたき)

敷き固められた土で仕上げること。またはそのような仕上げの床。使われる土は、叩き土といわれる。この土は赤土・砂利・風化花岡岩などに、石灰やにがりなどを水で練り込み、上から叩いて固める。乾燥すると硬化する。玄関まわりや勝手口の土間、古くは台所や浴室の土間などに使われた。三河から産出する土を使ったものを三州叩きという。

l        畳縁(たたみべり)

畳表の長手方向の縁をイグサと直交して縁どっている布のこと。縁には絹、麻、木綿、化学繊維などが用いられ、色は黒、紺、茶、柿、納戸、鶯(うぐいす)鼠色のはか、繧繝(うんげん)模様のものがある。古代や中世では身分の指標として使われていたものを半目、小切目という。すべて隠れたものを丸目、大切目という。

l        畳寄せ(たたみよせ)

畳と壁が接する部分を埋める細かい横木。柱、床、壁の間の隙間の仕上げ材となる。畳の縁、塗り壁の裾を保護する役割にもなる。

l        建具(たてぐ)

障子、襖、戸、扉など、開口部につけられた取り外しのできるものの総称。建具を取りはずすと、柱・梁・屋根という骨組みだけが残る。建具の良否が住まいの機能を左右する。建物外部に取り付けられるものには、防水・防火・防犯の役割もある。

l        建前(たてまえ)

土台を基礎に取り付け、その上に柱を建て、梁を架けて、屋根を組み、棟に横木をのせるまでの作業をいう。ここで使われる部材は下拵え(*)をしておく。

l        田の字型(たのじがた)

近代民家の平面形式のひとつ。4室を田の字型に配置した間取り。日本の中層農家ではこの平面形式がもっとも多く用いられていた。四間取りともいう。

l        垂木(たるき)

屋根の勾配に沿って屋根の構造部材に取り付けられ、屋根面の下地となる角材。垂木の割り付け方法を垂木割りというが、一般的には14045mmの角材を450mm間隔で並べる。この上に板を張りさらに屋根材がのせられる。(→小屋組)

l        断熱材(だんねつざい)

家の外部の寒さや暑さが内部に伝わらないように、あるいは内部の湿度が外部に逃げないように、壁内や床下、天井裏にいられる材。コスト面でグラスウールがもっとも多く使われているが、最近は環境への配慮から、炭化コルク、セルロースファイバー、木質繊維系など、天然素材系の断熱材が注目されている。

【ち】

l        千鳥(ちどり)

部材の並べ方の手法のひとつ。互い違いに折れ曲がって2列に並べる。ひもなどを掛けるときの千鳥掛け、釘などを打つときの千鳥打ちなどがある。

l        長寿社会対応住宅(ちょうじゅしゃかいたいおうじゅうたく)

住み慣れた家で、加齢の変化に対応しながら日常生活の健康と安全を確保していける家を目指した住宅整備の目標。建築省が1995年に策定。部屋の配置、段差、手すり、通路、出入り口の幅員、床・壁の仕上げ、建具、設備、温熱環境、収納スペースなどについての指針がある。

l        丁番(ちょうばん)

開き戸、開き扉を開口部枠に取り付ける金物の総称。蝶番、ヒンジと同意。彫り込み、隠し軸吊り、ピン、フランスなどの種類がある。

l        散り(ちり)

余り部分。柱と柱の間の壁に壁土を塗るとき、柱の表面から少し奥まった所に壁面がくる。このときの壁の上下左右にある木部と壁面との段差を散りという。

l        散り決り(ちりじゃくり)

塗り壁面と柱などの木部との接するところで、木部を溝状に削り取ること。この溝の中まで壁土を塗り込む。隙間をなくし、材料の収縮にも対応するためにも行う。

【つ】

l        ツーバイフォー工法(−こうほう)

日本在来の柱・梁という軸組み構法となり、木材でつくった枠組みに合板を打ち付けて板状にした材を用い、壁、床、屋根などをつくる枠組み壁工法のひとつ。北アメリカで発展。主な材の断面が2インチ×4インチであることからツーバイフォーと呼ばれる。

l        束(つか)

横架材を下から支える、短い柱のように垂直に立てて使う角材。床下地を支える床束、屋根下地を支える小屋束などがある。(→小屋組)

l        使い勝手(つかいがって)

便利な使い方の程度。使いやすい通常の方法をいう。右側から道具を使うのを右勝手、左からが左勝手という。台所の調理台・流し・レジの並べ方、片引き戸の開け方などにも、右と左の勝手がある。勝手ちがいは通常の使い方と異なる状態をいう。

l        継手(つぎて)

部材同士を長手方向に継ぐ場合の接合方法をいう。継ぎ合わせる部分が長いほど、強度的には有利になるが、材料と職人の仕事量(手間)が割り増しになる。継ぎ目が見えないよう、また単純にみせるのが上級の仕事とされる。蟻継ぎ(*)、鎌継ぎ(*)追掛け大栓継ぎ(*)、金輪継ぎなどがある。

l        角柄(つのがら)

開口部の枠の角で、部材が上下あるいは左右に枠から突き出た部分のこと。突き出る長さは枠材の幅の121.5倍とされている。縦角柄、横角柄などという。

l        坪庭(つぼにわ)

住居内の四方を建物に囲まれた、小さな庭。密着した住宅地ではこの庭から光が入り、風が吹き抜ける。植栽をして建物内の小自然を演出する。中坪(座敷坪)奥坪(蔵前坪)などの呼び方もある。

l        妻(つま)

正面に対する側面をいう。妻飾り、妻戸、妻梁などの言葉がある。妻に対し正面のことを平という。

l        妻入り(つまいり)

建物の妻側に出入口がある建築様式。和風住宅に見られる切妻屋根、入母屋屋根の両端の三角形になった壁面の側(妻側)出入口がある場合をいう。寄棟や陸屋根では、平面の短辺の側に出入口があることを指す。平入りに対する言葉。

l        定尺物(ていじゃくもの)

規格寸法どおりの材料のこと。市場で売買されている材木の寸法は、日本農林規格(JAS)により製材の規準寸法が決められている。この規格寸法をもとに建物の部位の寸法を決めると無駄なく材料が使える。柱材の標準の長さは、3000365038004000mmである。

l        出隅・入隅(ですみ・いりすみ)

二つの壁面が交差したところにできる外側の隅部のことを出隅。内側に出来る隅のことを入隅という。両方向からの材料が接する部分に、隙間ができることから、その隙間を埋める柱や板材が取り付けられる。

l        手間(てま)

仕事に費やす労力や時間。大工手間などという。在来工法では、いいものの評価基準として、「一に格好、二に材料、三に手間」といい、手間のかかった仕事が評価される。

l        照り起り(てりむくり)

照りは上に反り上がった曲面をいう。反りともいう。これとは反対に上方向に対し凸型に湾曲している曲面を起りという。瓦屋根には照りが、草葺き屋根には起りがみられる。神社仏閣の屋根は照りと起りが入り交じる。

l        天袋・地袋(てんぶくろ・じぶくろ)

天袋は、天井に接する高さで造り付けられた袋戸棚のこと。床の間の脇の違い棚の上部や押入れの上部に付けられる。和室では貴重品や季節の飾り物の収納場所として使われている。床と同じ高さにある、引き違い戸のついた物入れとなる袋戸棚のことを地袋という。出窓の下や飾り棚の下に設けられる。和室の数少ない収納場所となって便利である。本格的な床の間では、床の脇につくられる。

l        樋(とい)

屋根に降った雨水を地面や下水道まで導くための溝または管。屋根に降った雨水は、軒に平行な軒樋、軒から壁面にかけられる呼樋、壁と平行な垂直材である堅樋などを通り、地上面に流れる。亜鉛鉄板、塩化ビニール、古くは竹など、多くの材料で作られている。

l        胴差(どうざし)

2階建ての骨組みで、1階と2階の中間にあって、1階の柱の頭につなぎ、2階の柱の足もとを埋め込む横架材。この材に2階の床の骨組みが取り付く。構造材として主要な部材なので、できるだけつなぎ目のない1本ものなどの強固な継手とする。断面寸法は使用されている柱より小さくならないようにする。(→軸組)

l        動線(どうせん)

住宅内を人が動く経路。家事労働での疲労を軽減するために、関連のあるものを一か所に集めて短縮する。住宅内を回遊できる動線は建物を広く感じさせる。家具配置で動線を妨げないようにする。

l        棟梁(とうりょう)

大工職人をまとめて住宅工事を執り行う職能。大工の親方、町の工務店の経営者。江戸時代では、高度な技術を持った職人集団の長で、身分も高く、幕府には大棟梁の職があった。

l        通し柱(とおしばしら)

2階建ての場合、土台から軒まで延ばした1本柱のこと。建物の骨組みを一本にする役割がある。建物の四隅などに置かれる。1辺120mm4寸)角の材が多く使われる。建登せ柱ともいう。(→軸組)

l        通り芯(とおりしん)

柱などの構造材の並び(通り)を示す線(芯)。二次元で表記され、原則として記号と数字で表すことにより、一つひとつの柱の位置がわかるようになっている。

l        床の間(とこのま)

座敷の上座に取り付けられた、一段高い床。座敷の広さや用途によってしつらえが異なるが、東または南向きが基準である。書院づくりの座敷の格式を備えてつけられたものが本床とされ、畳1枚以上の広さで、床の両脇にそれぞれ書院と違い棚(床脇)をもつ。板だけの床をもつ踏み込み床、掛け軸のためのしつらえだけをした織部床など、本床を自由に略した略式床もある。

l        戸決り(とじゃくり)

戸が接触する縦枠の面に凸凹を付けて、戸を閉めたとき密着密閉するようにした仕掛け。縁側の雨戸やカラス戸などのように、1本の溝に戸を並べて閉めるとき使われる上等な細工。防犯効果もある。

l        土台(どだい)

柱の下端と緊結して水平方向の触れを止める部材。上部荷重を建物の基礎に均等分布させる役割もある。建物の基礎とアンカーボルトと呼ばれる金物で緊結する。また、地面付近にあるので、虫害や湿気による腐敗を防ぐために腐敗処理を施すほか、耐久性の優れたヒノキ、ヒバなどの木材が使われる。側土台、間仕切り土台、火打土台などがある。(→軸組)

l        土庇(どびさし)

土間にかけられた庇。庇を支えるだけの捨て柱によって広い軒下ができる。捨て庇ともいわれる。

l        戸袋(とぶくろ)

雨戸を収納する外壁に取り付けられた箱。雨戸を一か所に重ねてしまっておくために、縁側や窓の敷居の端に設置される。妻板戸袋、柱建て戸袋がある。

l        戸襖(とぶすま)

片面に板、反対の片面に襖紙を張った戸。破れやすい襖の欠点を補うことができる。防音効果も襖より高い。襖より重くなることが欠点。洋室と和室の間にあって、洋室側を板戸、和室側を襖にみせかけることができる。

【な】

l        長押(なげし)

室内の壁にみられる、垂直な柱と柱の間を結ぶ水平方向の部材。当初は水平方向の耐力を得るための構造部材であったが、小規模建築では簡略化されたり、装飾化されたりしている。開口部の上端の高さにある内法長押が一般的であるが、天井長押、腰長押などもある。

l        海鼠壁(なまこかべ)

外壁の仕上げの一種で、堅瓦を壁に貼り、瓦と瓦の隙間に漆喰を盛り上げて接合する方法。防水性、防火性、防犯性に富む仕上げであることから、蔵の外壁仕上げに使われる。伊豆の下田地方、岡山県倉敷地方などの特徴ある建物となっている。建築の図面では「生子壁」とも書かれる。

【に】

l        日影図(にちえいず)

太陽光線により建物が落とす影を表す図。1日に時間の変化、季節などの条件に変化により生じる影の変化を図に描いたもの。日の当たる部分を描いたものを日照図という。

l        日本瓦(にほんがわら)

粘土を主原料として、混練・成形・焼成した粘土瓦をいう。古代に朝鮮半島から伝えられ、寺院の屋根材として改良が進み、江戸の中期より一般にも使用されるようになった。釉薬(ゆうやく)、燻し(いぶし)、無釉薬の製法があり、寸法は1坪あたりの葺き枚数(4953576065枚)で表示される。土を載せた上に葺く方法と、下地の桟に引っかけて葺く方法がある。三州(愛知)・石州(島根)・淡路(兵庫)が三大産地である。水切り瓦・貼り瓦など側壁に使うこともある。

l        人工(にんく)

大工の仕事量を計る尺度として用いられる単位で、単位面積(3.3u)当たり1日に職人が関わった人数に換算した値をいう。人工数が大きいと、手間をかけた上級な仕事ということができる。普通の仕事で34人工、少し手間のかかった上級の仕事で78人工となる。

【ぬ】

l        貫(ぬき)

柱と柱の間に水平に通された部材。通常では桁までの間に30mmの厚さの板が3本入る。付けられる位置によって、下から順に、地貫・胴貫・内法貫の名前がある。塗り壁の下地をつくる細い横架材も貫で小舞貫といわれる。伝統的構法では柱の足もとを抜いて通す貫(足固め貫)や天井の位置に入れる貫(天井貫)などがある。

l        塗り壁(ぬりかべ)

土や漆喰を塗って仕上げる壁。仕上げとなる土を塗るために、その下に素地をつくるための土を塗ることから、厚い壁ができる。防火にも有効である。土には色のある各種の土が使われ、部屋の趣を変える。水を使い乾燥期間を要する湿式工法である。一般住宅では、色土を塗る西京壁、石灰を仕上げに塗った漆喰壁などがある。パルプなどの繊維質を混入した土壁もある。

【ね】

l        根切り(ねぎり)

基礎をつくるために地盤面を掘り下げる工事のこという。掘削の形状は基礎の方式に関係する。柱の下のみを掘る壺掘り、土台に沿って長い溝を掘る布掘り、床下全部を掘るベタ堀がある。堅い地盤面では必要としない。

l        根太(ねだ)

床板を支える水平部材。木造建築において、床板を支えるために最下階の水平材である床梁の上に直角方向に300450mmほどの間隔で架け渡した横架材。

l        練付(ねりつけ)

木目のきれいな材を薄い板状にして、ほかの部材の表面に接着剤で貼り付けることをいう。こうすることにより仕上げ材としては使いにくい材を芯材として使うことができる。芯材には合板、ランバーコア、集成材などが用いられる。

【の】

l        軒(のき)

開口部への直射日光をさえぎり、外壁に雨がかからないようにするために、屋根の先端を外壁面からさらに外に延ばした部分をいう。軒先の高さは室内からの天空の眺めを遮る線ともなり、高さによって座敷の趣が異なる。軒の仕上げには軒裏の木をそのまま見せる化粧軒裏、軒裏に天井を張る軒天井、木部に漆喰を塗る塗り込め軒がある。蒸し暑い日本の夏に適合し、深い軒の出に保護された外部空間の気温上昇を緩和する。濡れ縁が夏は日陰となる程度の軒の出は欲しい。

l        軒桁(のきげた)

建物の長辺方向の外壁にある柱の頭をつないでいる横架材をいう。このことから柱頭冠木(はしらつなぎ)の名前がある。この長辺方向を桁行きという。骨組みを固める主要な部材で、これに屋根をかたちづくる骨組みの部材が取り付く。断面寸法は柱以上とする。マツやスギが適材。地回り、鼻母屋ともいう。

l        野地板(のじいた)

屋根葺き材の下に使われる製材したままの板材。「裏板」ともいう。垂木の上に張る。未仕上げの材を野材という。

【は】

l        羽重ね(はがさね)

小さな材を重ね合わせる時、下から上に順次、材を置いて少しずつ、ずらしながら重ね合わせていく方法。鳥の羽のような状態になり、雨水を内部に浸透させないように処理できる。天井板や下見板を張る場合に用いられる。

l        接ぎ合わせ(はぎあわせ)

板張りの床仕上げで、板を敷き詰める方法。乾燥させ板材を、木表を上にして隙間のないように並べる。突きつけ、合い釘、相決り(*)本実(ほんざね)、雇い実(やといざね)、敷き目板などの方法がある。

l        柱(はしら)

屋根や2階床を支え、または室内の壁を構成する垂直に使われる部材。家のほぼ四隅に建てられ軒桁まで届く通し柱、土台から2階床を支える、あるいは2階床組から小屋組みを支える管柱、壁の内部にある間柱などがある。また仕上げ材として、木肌をみせる化粧柱がある。装飾として取り付けられる柱には、正角材を半分にした半柱、銘木を使った床柱、集成材を使った付け柱、各種の面取りをした柱、丸太柱の皮を残して製材した面皮柱などがある。(→軸組)

l        柱割り(はしらわり)

建物の基準寸法を柱と柱の間隔で決める方法。畳の寸法を基準とするより建物全体の寸法が合理的に処理できることから普及した。柱の間が1間(6尺)とすると、畳の大きさは1760×880mmとなる。これは田舎間あるいは江戸間といわれる。

l        端欠け(はっかけ)

部材表面の一部を欠き落として、目に見える部分の小さく薄く見せる方法。和室の壁に見える角柱や、天井の回りにくる角材を、一部分だけ表面に残して、残りの大半が仕上げ材の下に隠れてしまうように細工することで、繊細な細かい線で室内が構成される。

l        鼻隠し(はなかくし)

軒先に出てくる、屋根を支えて並んでいる垂木の木口を隠すために、軒先に打つ横板。伝統的な和風の様式では見られない。

l        幅木(はばき)

床と壁が接するところの隙間を埋め、壁の下部を保護するために取り付けられる板。高いもので120180mm、低いもので6080mm幅の板が使われる。

l        破風(はふ)

切妻屋根の妻側の端部に取り付けられた厚板。軒桁や母屋を保護し、装飾にもみられる。社寺の屋根によくみられる。唐破風、縋る破風(すがるはふ)、招き破風などがある。

l        羽目(はめ)

板張りの壁のことをいう。壁面に板を並べて、下地に止める。堅に並べたものを堅羽目、横に並べたものを横羽目という。外壁の場合は雨水の処理のためには横羽目の方がよい。

l        梁間(はりま)

長方形の平面をもつ木造軸組の、短辺方向の長さのこと。梁間方向に対して、長辺方向を桁(けた)行き方向という。

 

l        バリアフリー住宅(−じゅうたく)

居住者に障害となる部分をなくすことに留意した住宅。段差などの障害物、住宅設備における安全性や使い方に対する建築的障害を取り除くことが、高齢社会化とともに求められている。国の住宅建設5か年計画による2015年目標では、バリアフリー住宅を全ストックの4割にすることが目標となっている。

【ひ】

l        火打ち(ひうち)

水平部材の直角に交わる部分に取り付けられる補強材。これにより三角形の構造を組むことができ、強固な接合部となる。土台に付けられる火打ち土台、桁と梁につけられる火打ち梁などがある。

l        引違い戸(ひきちがいど)

2枚を互い違いに引いて開閉することのできる戸。部屋と部屋の間を仕切るときに使われる。開口部の広さによって2枚、3枚、4枚立てがある。

l        引戸(ひきど)

左右水平方向に開閉する戸。閉めてあるのが常態の開き戸と違って、開閉いずれも常態といえる。風通しのよい、融通性のある部屋をつくるのに適する。片引戸、両引戸、引違い戸(*)、引分け戸(*)などがある。

l        引分け戸(ひきわけど)

1本の溝に2枚の戸がはめられており、開くときには左右に引き分けられ全開の状態になるものをいう。引き込まれた戸は壁などに格納され、戸2枚分の広い開口部がとれる。連続する部屋の仕切りや、外部への開口部に使われて、効果を発揮する。

l        庇(ひさし)

窓や出入口等の開口部外壁面上部につけられる小さな屋根。直射日光や雨などを防ぐ役割をしており、風に吹き上げられて壊れない丈夫さが必要。霧除け庇(*)、水切り庇、腕木庇、陸庇がある。

l        引掛け桟瓦葺き(ひっかけさんがわらぶき)

屋根瓦を横桟に引掛けて並べる方法。屋根面の下地となる板に水平方向に桟を打ち付け、これに引掛け桟瓦の裏に付けられた瓜を引掛けて滑り落ちないようにしたもの。この方法は江戸初期に考案され、瓦屋根の普及につながった。これ以前は練った土を載せた上に瓦を並べる方法しかなかった。

l        樋端(ひばた)

敷居や鴨居などの溝の凸部分のこと。室内側を内樋端、室外側を外樋端、真ん中を中樋端という。鴨居敷居の溝の側面つまり樋端の側面を削る道具に樋端鉋がある。

l        105角(ひゃくごかく)

135分(105mm)の正方形の規格寸法の角柱のこと。現在ある木造住宅は通常この寸法の柱を用いてきた。木造の耐火性や耐久性から4寸角柱(120mm角の柱)が使われることもある。

l        広小舞(ひろこまい)

軒先の垂木の先端を横につなぐ板材をいう。屋根材の下にある野地板の軒先の止まりの位置に入られる。上等の仕事になるとさらに厚みのある材(淀)が入れられる。

l        広間型(ひろまがた)

農家・民家の平面形式の一つ。土間に接する広い部屋(広間)をもつ間取りである。広間の奥に2室をもつ形式を三間取り広間型という。この広間がさらに2室に分けられ、田の字型へと発展した。

【ふ】

l        吹き寄せ(ふきよせ)

部材の配列を決める手法の一つ。2本以上の同一部材を同じ間隔で並べたものを一組として、何組かをさらに広い間隔を置いて配列していくもの。垂木、格子、障子の桟などの配列が見られる。一組は通常2本、多くて4本が一般的。吹き寄せ格子などの呼称があるが、垂木や桟などにも使われるデザイン手法である。

l        伏図(ふせず)

伏せて置いた物を上から見て描いた図。主に構造的なしくみを平面的に表現する場合に用いられる。建物の基礎を表した基礎伏図、天井を見上げた状態を表した天井伏図、屋根を上から見た屋根伏図などがある。

l        プレカット

構造材や造作材をあらかじめ工場で加工しておくこと。材の継手や仕口の加工を工場にある電動機械で加工する。それを現場に持ち込み、組み立てるので、現場の施工期間を短くすることが可能。プレカットしたものにさらに手を加えて伝統的な技術に近づけることもある。

l        プレハブ工法(−こうほう)

「プレ(あらかじめ)、ファブリケーション(つくる)」の和製合成語であり、材料を工場であらかじめ加工し、現場での施工を簡単にする方法。工事期間を短くすること、材料加工の均一な品質を保つこと、コストダウンを目指して生まれた工法である。

【へ】

l        紅殻(べんがら)

硫酸鉄を原料とする赤錆色の顔料のこと。古代から使われているが、江戸時代に大量生産が始まり、建物や船の塗布材、あるいは陶芸や着物の染料として広まった。錆止めともなる。京風のベンガラ格子とはこの顔料を塗ったものである。

【ほ】

l        防火構造(ぼうかこうぞう)

外壁と軒の裏側に、モルタルを2mm以上塗ったもの、あるいは、内外ともに土を塗った壁がこれにあたる。準防火地域の指定のある場所では「外壁及び軒裏で廷焼のおそれのある部分を防火構造としなければならない」と法律で示されている。

l        方形(ほうぎょう)

和風建築の屋根型のひとつ。唐傘を広げたような形をしており、屋根で一番高いところが一点に集まっている。正方形や八角形などの多角形が平面になっている。(→屋根型)

l        補強金物(ほきょうかなもの)

木と木をつなぎ合わせる部分の強度を増すために取り付ける金属製の器具。釘で打ち付ける簡単なものから、ボトルで締め付ける大きなものまである。伝統的な木と木を細工して合体させる高度な技術によらないで、木造の骨組みを組む際には不可欠なものとなっている。一般的なものでは、かすがい、アンカーボルト、羽子板ボルトなどがある。その他、鞍掛け金物、短冊金物、箱金物、腰掛け金物、輪型ジベル、目かすがいなどが使われる。接合金物だけで、十分な強度がだせる工法も開発されている。

l        枘(ほぞ)

接合するために角材の木口に細工した突起をいう。柱と土台、束と梁などの接合に見られる。耐力としては弱い接合方法である。短枘・長枘・重ね枘・小根枘・目違い枘などがある。

【ま】

l        間仕切り壁(まじきりかべ

部屋を仕切るための壁。耐力壁ではない。この壁には、上階の床や屋根を支える役割はないため、柱の半分の大きさの材が骨組みとなる。この壁の下には間仕切り土台が敷かれる。

l        窓(まど)

通常、室内の採光・換気・通風などの目的で設置される。法則では、採光・防火の面で多くの規制が存在する。目的、設置場所、開閉方式によって、採光窓、換気窓、下地窓、天窓、地窓、高窓、引違い窓、はめ殺し窓、などがある。

l        間取り(まどり)

屋内を建具や間仕切壁で分割して各部屋を構成すること。間取りの基本単位は2間×2間でできる、8畳の間あるいは6畳に押入れを足したもの。畳4畳半より狭い空間が小間、8畳より広い空間が広間といわれる。

l        間柱(まばしら)

屋根や床を支える柱と柱の間に付けられ、壁の構成部材となる柱。壁の重みを支える柱であるが、外壁の間柱は壁の重みと、さらに外からの風圧力に耐える役割をする。一般的に、450mm間隔で配られる。

l        回り縁(まわりぶち)

天井面と壁面の接する部分に回される見切りの部材。二重回り縁や隠し回り縁などがある。材はヒノキ、スギなどが一般的に使われるが、茶室では竹や丸太なども使われる。「廻り縁」とも書く。

【み】

l        見え掛かり(みえがかり)

各部を構成する部材で、表面に露出して目に見える部分をいう。見えない部分を「見え隠れ」(*)という。見え掛かりで正面に見える部分を「見付け」(*)、外部に露出した水平部分を「見込み」という。いずれも繊細な寸法にこだわる和室の重要な部分である。

l        見え隠れ(みえがくれ)

仕上がった状態で部材の正面から見たとき、見えない部分のこと。柱などで裏側が壁の中に隠れている部分や、造り付け家具などで表面にでない部分をいう。

l        見切り(みきり)

仕上げ材の端あるいは材質が変わる変わり目の部分のこと。またその部分の仕上げ方。

l        水(みず)

建物の高さの基準を表す水平面または水平線。軒から下の高さの基準を腰という。

l        水切り(みずきり)

外壁面などを流れ落ちる雨水が内部に入らないように防ぐ部分をいう。部材の分断箇所や接合部、隙間のある場所で、壁面より突き出ている箇所の先端部分に取り付けられる。金属板水切り、段差水切り、薄型水切りなどがある。

l        水勾配(みずこうばい)

水が流れる程度の微妙な勾配。本来は平坦であってほしいところに、1/100程度の勾配をつける。水を始末する場所を考慮して勾配の向きを決める。バルコニーや屋上などが特に重要である。

l        水回り(みずまわり)

給排水などを行う場所を総括して表す言葉。生活に必要な水や湯を供給し、使用した水を排出する器具が設置される。台所、浴室、洗面所、便所などがある。これらの空間をまとめると、維持管理や衛生環境保持がしやすくなっている。

l        水盛り(みずもり)

工事現場で建物の高さを板状の杭(水杭)に印す作業をいう。この作業のあと、杭の印にあわせて水平の板(水貫)で杭を建物外周にめぐらす「やり方」の作業をする。やり方でできた水貫に、それぞれの柱や壁の中心線(芯)の位置を印す「芯出し」の作業をして、仮設物に建物の位置を明示する[水盛り―やり方―芯出し]の一連の作業が終わる。

l        水屋(みずや)

茶室に隣接して設けられる、道具などを置いて準備する場所。水屋棚や料理をする炉、茶器を洗う蔶の子流しを備えている。

l        見付け(みつけ)

正面から部材を見たときに見える幅のこと。またその寸法のこと。柱や桟などの線の大きさが部屋の意匠に微妙に関わることから慎重に寸法が決められる。見付きともいう。(→見え掛かり)

l        見積り(みつもり)

建築工事を行う前に工事費を試算すること。部材の数量や各工事の面積を算出し、材料単価、工事費、経費などとともに総工費を算出する。施工者が依頼者に対して示す。

【む】

l        棟(むね)

屋根の最も高いところ。棟に棟木(→小屋組)をとりつけると棟上げとなり、建前の仕事が終了となる。棟の置き方で屋根面の水の流し方がきまる。棟の仕上げ方は屋根材によって異なる。

l        無目(むめ)

開口部の上下に付けられた、溝の掘られていない横架材。無目敷居、無目鴨居などという。

【め】

l        目板(めいた)

板と板の継ぎ目をふさぐ、細長い板。板を縦方向に張った板壁や板堀にみられる。

l        銘木(めいぼく)

色、木目、質、形状ともに特に優れる木材をいう。希少価値のある木材の珍品もこう呼ばれる。床の間や座敷の天井など、装飾的に使われる。黒檀(こくたん)紫檀(したん)、鉄刀山(てっとうざん)、北山杉、屋久杉などが有名である。

l        目地(めじ)

材料と材料の合わせ目に、生じる線状の部分。タイル、石、ブロック、レンガなどを貼るときには、目地割り(目地の割り付け)が意匠にもなる。目地割りには、いも目地、破れ目地、四半目地などがある。合わせ目の隙間をあけない目地を眠り目地という。

l        目透かし張り(めすかしばり)

天井や壁などに板を張る方法のひとつ。板と板の間に隙間をつくって並べ、その隙間に裏から隙間をふさぐ板(敷き目板)を打ち付けて仕上げる。これに対して、隙間をあけずにぴったり張ることを突き付け張りという。

 

l        目通り(めどおり)

目の高さのこと。室内を構成する重要な要素のとなる。特に和室では、座った姿勢で見える高さにある部材の寸法や眺望を考えるときなどに配慮される。目通りがよいとうのは、見た目の直線の通りのよさをいい、水平部に凸凹があると目通りが悪いという。目の高さで立木の太さを示すときにも使われる。

l        面戸板(めんどいた)

軒桁の上にある垂木と垂木の間のわずかな隙間を埋める板。屋根裏に小鳥やネズミの入る道をふさぐ板となる。垂木の小穴にはめ込むか釘打ちする。ふさぎ方の違いによって、敷き面戸、通し面戸、切り面戸がある。板材の他に、屋根材料の違いによって生じる軒先の隙間は、瓦や漆喰でふさぐこともある。

l        面取り(めんとり)

角柱の角を削り、斜めの面をとることを言う。壁や建具と柱の接する詳細な寸法へのこだわりからなされるもので、和室の仕上がりが和らいだり、華やいだりする要素となる。糸面・カンナ面・五厘面・几帳面など各種の面がある。

【も】

l        母屋(もや)

小屋組において、斜め材の垂木を受けて小屋束に力を伝える材。棟木と桁に平行で、その中間の高さにある。母屋の長さを継ぎ足すときには、丁寧な接合方法が必要である。(→小屋組)

l        盛土(もりど)

自然の地盤に土を盛り上げること。宅地造成のために他所から土砂を持ち込み、元の地盤の上に盛ることをいう。設計の基準となる地盤面より低い部分などにほどこす。

【や】

l        屋根型(やねがた)

屋根面を構成する型であり、建物の外観をきめる大きな要素になる。雨水の落とし方、風に対する屋根面の向き、雪を落とす方向など、地方の気象の特徴が屋根の材料や工法に反映されて型ができる。切妻(*)、寄せ棟、入母屋(いりもや)、方形(*)などの型がある。

l        屋根勾配(やねこうばい)

雨や強風対策のためにつける屋根面の勾配。雨水を早く地面に流すためには急勾配が必要であり、強い風の時は屋根面が風圧で吸い上げられないようにするために、ある程度の勾配が必要である。勾配は底辺10に対する高さで表される。4寸勾配といえば10寸のところで4寸高くなる勾配をいう。瓦屋根では普通4寸勾配より暖かくはしない。矩(かね)勾配といえば、10寸勾配つまり45度勾配のことをいう。

【ゆ】

l        床下換気口(ゆかしたかんきこう)

床下の通風のために基礎コンクリートの数か所に開けられた穴。換気口は床下全体に風が流れるように設けることが大切である。また、ここからネズミなどが侵入したり落葉などのゴミが入ってしまわないように、金属製の格子がはめられている。湿度の高い日本では、床下がじめじめして、木材腐食菌やシロアリの格好の棲息場所になりやすいので、十分な床下換気を図りたい。

l        歪み直し(ゆがみなおし

骨組みの組立が終わった階段で、柱の垂直を調整すること。ひずみ直しともいう。下げ振りや定規で柱の垂直を正す。垂直が確保されたところで、柱と柱の間に斜めに板を渡して仮止めしておく。これを仮り筋かいという。

l        雪止め(ゆきどめ)

屋根に積もった雪が急に落ちてくるのを防ぐために屋根に取り付けした棒や板などの部材。軒先の鼻隠し板を高く立ち上げる方法や、雪止め瓦を用いる方法もある。また外壁より外側に丸太、角材、板などを取り付け、屋根から落ちた雪が外壁を埋めないようにした装置のことも意味する。

l        雪見障子(ゆきみしょうじ)

障子の桟を上下に二分割して組み、それぞれに障子の紙を張ったもので、下の半分が可動式につくられ上下する。閉めた状態は1枚の障子、上げると下半分にはガラスがはめられており、座った姿勢で外部が眺められる。猫間障子ともいわれる。

【よ】

l        養生(ようじょう)

部材に傷をつけないためにする仕事。工事中に他の部材を傷めたり汚したりすることのないように、大切な部分をシートなどで覆って保護する。また部材自体に丈夫な紙などを貼ったり薄い板で囲って、日焼けや汚れを防ぐ。

l        容積率(ようせきりつ)

法律で定められた、敷地面積に対する建築延べ床面積の割合。用途地域(*)ごとに数値が定められている。住宅地では200300%の範囲で環境保全がなされている。

l        用途地域(ようとちいき)

都市計画法で定められた地域で、指定地域ごとに、そこに建てられる建物の用途が決められている。住宅地としては、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域が指定されている。

【ら・わ】

l        欄間(らんま)

襖や障子などの上部に、採光・換気を目的として取り付けられるもの。部屋と部屋の間にあるのを間仕切り欄間、縁側と部屋の間のものを縁側欄間という。間仕切り欄間には、透かし 彫りなどの木彫りをした彫刻欄間、細い棒材で様々な模様を表現した組子欄間が多い。縁側欄間には紙を張った明かり障子が引き違いで入れることが多い。

l        陸(ろく)

水平であることをいう。ゆがみなく正しいという意味もある。陸梁、陸天井、陸屋根などという。

l        枠組み壁工法(わくぐみかべこうほう)

壁の構成によってできた木造建築。角材で枠をつくり、木の枠に合板を打ち付けて大きな板状の部材(合板パネル)をつくる。このパネルを組み合わせて、床および壁を構成する。欧米からの輸入住宅に多くみられる。工事に特殊な技能を必要とせず、工期が短く安価で丈夫であるが、日本の風土にあわせるために通気、換気の面での工夫が必要である。

l        渡り腮(わたりあご)

角材と角材を直角に組み合わせる方法のひとつ。力を支えて水平に架けられている角材に凸のかき込みをし、その上にくる角材がこの凸の部分にはめ込まれて載るように細工する。長い角材にあごを載せた状態にみえる。

l        割栗石(わりぐりいし)

基礎の底にある地盤を固めるために、敷かれる枠石のこと。長さ2030cm、厚さ710cm程度に砕かれた石が使われる。地面に突き刺すように立てて並べる。隙間は砂利で埋めて敷き固める。